2017年1月8日日曜日
【NHK大河連動 ”今日の『おんな城主直虎』”1】井戸から生まれた竜宮小僧 ~井伊氏のルーツを探る、の巻~
真田丸ロス覚めやらぬ2017年、新春でございますが、はじまってしまいました!次のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」です(^^
戦国好きにはたまらない、2期連続の戦国ネタですが、ふつうは戦国時代を一回やると、幕末に飛んだりしますので、今年は嬉しい限りですね。
個人的には、「軍師官兵衛」からの高橋一生くんが出てくるのも、楽しみです。
というわけで、BS夕方6時からの「早虎」を見ての、ツッコミを入れるブログ!真田丸に引き続いて再開です。
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三谷脚本とは違って、小ネタや仕込みは少ないものの、オーソドックスではありながら「生き生きと」描かれている今回の直虎。キャストのみなさんの持ち味が十二分に生かされていて、見ごたえのある仕上がりになりそうです。
第一回は、主役の子ども達も元気に演じているのと、ミステリー仕立ての脚本で、良いスタートだと思います。
このまま1年間、楽しみですね。
さて、今回のドラマのベースにもなっている「井伊氏」のルーツですが、公式には藤原北家から出た藤原氏となっていて、室町時代ごろから「藤原」を称しているようで、それがそのまま幕府への公式届出でも「藤原氏」としているとのこと。
ところが、ドラマでも出てきますが、「井伊氏の初代は、井戸に投げ込まれていた赤ん坊」という話が興味深いです。
幕府の系図上でも、
■ 遠江国へ移った藤原共資の息子、藤原共保が井伊谷に移り住んで 「井伊氏」の祖となった。
ということが書いてあるわけですが、この井伊共保という人物は、
■ 井戸の中から神主が赤子を見つけて、そのただならぬ様子に、藤原共資は、その子を養子として娘の夫とした。
のだとか。(この話はドラマで使われています)
そのほかにも、藤原南家の出であるとか諸説はありますが、早い段階で遠江国の実力者として記録に登場するようです。
播磨屋さんの解説によると、面白い話があと2つほど。
http://www2.harimaya.com/sengoku/html/ii_k.html
ひとつは、
「井伊」
という苗字の読みについてですが、本来は「井」で、「い」と短く発音するのではなく、「いー」と長音で発音しているうちに、もう一つの字を後から当てて「井伊」となったのではないか?とのこと。
”保元物語” に遠江の武士として「井八郎」(いー・はちろう)という名前があり、初期の井伊氏だと推定なさっています。
ふたつめは、「井伊介(官職としては遠江介)」という呼び名の件ですね。
三浦介、千葉介、上総介などは、有名な呼称で鎌倉幕府においては、「誰もが知ってる通称」みたいになって代々受け継がれたわけですが、「井伊介」も同じくらい重要に受け止められていた呼称でした。
戦国時代になると、ドラマの通り、今川氏の支配下に入りますが、今川氏は清和源氏・河内源氏と続いた
源氏本流組の一派
であって、 おまけに、室町将軍である足利氏の分家でもあるので、
駿河守護・遠江守護
を担った名門です。
対して井伊氏は「遠江介」なので、そもそも格式が違う、ということになるわけです。
(ちょっと時代は違いますが)わかりやすいので律令四等官で説明すると、各国の管理官は
長官 守(かみ)
次官 介(すけ)
判官 掾(じょう)
主典 目(さかん)
という等級になっています。
室町時代までは、こうした格式は政府の決めた通りにランク付けされているわけですが、その政府が崩れて無政府状態になると、
「下のランクのものや、格式のないものが、格式のあるものやランクの上の者を倒す」
ということが起きてきます。それがいわゆる「下克上」の考え方というわけです。
今川義元のもとには、のちの家康となる竹千代くんも人質で行ってますが、弱小松平氏は、今川氏の庇護を頼らなくてはいけなかった、ということです。
ちなみに、織田氏をこのランク付けで見ると、「越前守であった斯波氏の家臣」ということになります。
のちに、斯波氏は遠江守なども歴任し、名古屋方面へと関わりが出てくるので、織田家も越前から南下することになりますが、信長登場直前のランクでいえば、
「尾張守護代」
が織田家の官位になります。代理人であった織田氏が、主家の斯波氏を乗り越えることで、ここでも「下克上」が生まれたわけですね。
★【ややこしいけれど官位としては尾張守護代であった織田氏は、通称としては代々伊勢守(いせのかみ)を名乗っています。このへんから本来の官位と名称が崩れ始めているのですね】
というわけで、次回の直虎がどうなってゆくのか、楽しみです!
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